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東洋医学による治療費が損害として認められるか

東洋医学による治療、針灸、マッサージ、カイロ、気功、整体、さらに温泉療法などによる費用は、交通事故のよる損害である「治療費」として認められるのでしょうか・・・?

 支払基準

自賠責保険の保険金支払の基準を定めた「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準(平成13年金融庁国 土交通省 告示第1号)」には、治療関係費の項目の中で、

  • 柔道整復等の費用
  • 免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。

と定められています。

 まず「免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師」とありますので、対象になるのは、整骨院(柔道整復師)とか針灸、マッサージといった国家資格のあるものと考えられます。

カイロ、気功、整体は民間療法で、国家資格はないですから、認められないものと考えられます。

つぎに、「必要かつ妥当な実費」を認めるとありますが、この文言については、「医師の指示に基づいている場合は、認められる」というのが、実務上の理解です。

しかし、現実に医師が「接骨屋さんに行きなさい」と指示することはありえないでしょうし、整形外科の医師が、「うちの病院じゃなく、近所の接骨屋さんに行ってください。」なんて指示された話なんて聞いたことありません。

結局、「医師の指示があれば」というのは、「医師以外は認めない」という意味とほとんどかわりないと考えられます。


では、医師の指示がない場合、自分の判断で接骨院などでの施術を受けた場合は、全く認められないのでしょうか・・・?

裁判例では、医師の指示がなくても、東洋医学による治療の治療費を損害として認めたものがあります。

その際には、以下のような各要素を総合的に考慮して,損害として認めることができるかどうかを判断していると考えられます。

  • 施術の必要性があること
  • 施術の有効性があること
  • 施術の期間が合理的であること
  • 施術費用が相当であること

裁判例の内容確認はコチラのページ


交通事故の治療はどうすれば・・・

事故後

まずは病院(西洋医学)での治療を受けるべきです。

いきなり東洋医学の施術のみで治療を行った場合、病院での治療を行わなかったことの合理的な理由を示さねばならない可能性があります。

基本的理解が「医師の指示に基づいている場合は、認められる」ですから、最初は、病院での治療を受けましょう!

整骨院で治療を受けたいとき

治療している病院の医師に相談をしましょう。

医師からの指示が得られ、診断書への記入が行われれば、損害として認められることが確実となります。

医師に相談ができない場合

被害者の方は、事前に保険会社に承諾を求めてください。

保険会社は、支払基準に書かれている「免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用」は支払うべきものと認識していますので、駄目だと答えられることは、そうないでしょう。

保険会社の承諾があれば、賠償の対象になります。

交通事故の被害者となってしまったら、一刻も早くケガを直して、再出発したいものです。 そのために、いろいろな治療、施術を行いたいと思うのは、当たり前ですよね。

ただ、ちょっとした注意を怠ってしまって、損害賠償としての治療費として認められないのでは、被害者ばかりが不利益を受けてしまいます。   無駄な出費をしてしまわないよう、注意して治療をなさってください。


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